『四国R‐14』を巡る旅



2008年8月27日更新

2000年、『ミスターどうでしょう』こと 鈴井貴之氏が夢であった映画造りにチャレンジする為に『水曜どうでしょう』は半年間の休憩を取る事になりました。

その間に、どうでしょう班は別の事に挑戦する事になり、ドラマ造りにチャレンジします。
紆余曲折はあったもののドラマは完成し、『水曜どうでしょう』の枠内で『水曜どうでしょうドラマ 四国R-14』としてオンエアされました

ところが、普段のバカバカしい旅ネタとは異なる、シリアスな怪奇談に視聴率はガタ落ちしたのでした・・・。

このドラマ、注目すべきはチームナックスが初めてTVで勢揃いした事でしょう。

ストーリーは、『四国八十八ヶ所2』で起こった怪奇現象を基にしています。
前年、初めて四国八十八ヶ所巡りをした際に、見えない何ものかに取り憑かれ、半年間えらい目にあったという大泉さんの為に、2回目のこの年、日程を延長し、魔除けの数珠まで準備して挑みます。
ところが、高知のうどん屋『いろりや』さんで大事な数珠を忘れ、近道として選んだ筈の道でパンクはするわで、次第に追い詰められていきます。
一日日程を増やしたからと、余裕をかました旅をした挙げ句、結局最終日までに時間が無くなり、深夜にお遍路を強行せざるを得なくなります。
そうしてその結果、どうでしょう班は、第71番 弥谷寺で怪しい気配に脅え、ついに第79番 天皇寺高照院で怪奇現象に遭遇したというものでした。

普段は撮影担当の嬉野Dが筆を取り(他の連中も脚本に挑んだものの散々な作品ばかりだったらしい・・・)、自分達の経験を基に、その後日談として仕上げています。

出演はチームナックスの5人+HTBの人気女性アナウンサー小野優子。
配役は、上島(音尾琢真)、藤木(森崎博之)、大沼(大泉洋)、上島の妻(小野優子)、プロデューサー(安田顕)、エキストラ(佐藤重幸 現:戸次重幸)。
他にスタイリスト小松らも参加していました。

ドラマはオールロケで物語の大半は香川で撮影されています。


そこで今回は、『四国R-14』にかこつけた、ロケ地巡りです。

プロローグ。
第66番 雲辺寺のずらりと並んだ灯籠から物語はスタートします。
ここは、第12番 焼山寺第21番 太龍寺第60番 横峰寺等と並んで、お遍路の固い意志を試す関所のひとつです。
今でこそ、ロープウェイが登っていて気楽にたどり着けますが、本来大変険しい道です。
以前、車で参拝しようとして、お寺へ到る道のあまりの険しさに音を上げそうになりました。

オープニングタイトル。
第71番 弥谷寺の参道がメインに使われています。

本編。
もちろん事件の起こった第79番 天皇寺高照院を始め、第81番 白峯寺への途中にある展望台からの瀬戸大橋の遠景、高松市の繁華街ライオン通り、そして、映像に映った謎の場所として第67番 大興寺前のお地蔵さんが使われています。

そして、怖すぎる本編を和ませる為か、異様にバカバカしいエンディング。
ここには、第71番 弥谷寺の祠や、第73番 出釈迦寺前の池の土手などが使われていました。

僕は主演の音尾さんの味のある演技に感心しましたが、女房は、この作品のナックスメンバーの演技に感化され、いろいろ舞台やら、映画やらのDVDを集めて見る様になり、やがてナックスファンになり、更にはCUEファンに進化を遂げました。


さて『四国R-14』のロケ地巡りですが、例えば一日で巡れるのか?
どうせならおいしい讃岐うどんも味わいたいので考えてみました。
まず、ロケ地ですが、四国八十八ヶ所のお寺が以下の通り。
第66番 雲辺寺第67番 大興寺第71番 弥谷寺第73番 出釈迦寺第79番 天皇寺高照院第81番 白峯寺の6寺。
そして、『水曜どうでしょう』で紹介されていたうどん屋さんが、山越善通寺の山下うどん本陣 山田家彦江製麺所中村、竹清といったところ。

さて、これらを出来るだけ効率良く巡る方法を考えてみます。

まず、朝8:30に綾歌郡羽床上のうどん屋『山越』に行きます。
開店は9:00なのですが、超有名な人気店なので、行列は必死。
開店前の少しでも早い時間に訪れて、早く食べられる様にしておきます。

『水曜どうでしょう 対決列島』では四国大会と称してここでうどんの早食いをしましたね。
でも、徳島と高知は通ってないのでポイント加算はおかしいと思うけど・・・

『おにぎりあたためますか』でシゲ(戸次重幸)+佐藤麻美が大泉洋を出し抜いて訪れ、あまりのおいしさに讃岐うどん初体験の麻美ちゃんが「うどんにくるまれたい。」とおよそアナウンサーらしからぬ言葉を発した場所です。
その後、真相を知った大泉さんが大激怒するのですが・・・

シゲは4玉、麻美ちゃんは3玉完食していましたが、ほどほどにしておいて下さい。
ここには釜玉が名物とされていますが、実は冷やしのかけこそが絶品です。
うどんは一度水で締めてこそ、本当の味わいを楽しむ事が出来るのです。
この点に関して、シゲは正しい!

そうは言っても、釜玉も楽しんで見たい!
出来れば両方食べ比べて欲しいところですが、無理は禁物です。
後にもすごいうどん屋さんが控えていますので・・・
3〜4人のグループならそれぞれが冷やしのかけ小を頼んで、釜玉の大をみんなで分けると良いかも知れません。
なんで釜玉大を頼むのかというと、釜玉は大(2玉)に卵ひとつが、釜玉の黄金律だから!
(映画『Udon』でも同じ事言っていた・・・)

山越』でおいしい讃岐うどんで朝食を堪能したら、いよいよ探訪開始。


「いや、俺はまだ食い足りない!」
「こんだけ待たされたんだ。腹一杯になるまでは動かないぞ!」
という方には『中村』をお奨めします。
飯山町にあるこのうどん屋さん、『水曜どうでしょう』のHPのウラ話に出てきます。
納屋の様なお店。
お客が薬味のネギを求めると、店の人が「裏の畑で取ってきて!」と言ったという伝説のお店です。
つまり、自分でネギを刈り取ってきて、刻んで入れるという究極のセルフ店。
少し柔らか目のうどんは口に入れて噛んだ途端に口の中からどこかに消えて居なくなってしまいます。
店は建て替えられましたが、相変わらずの納屋風情。
お店が客にてらう事無く、おいしいと評判でお客が食べたいから、その場で食べさせてあげているという食べ物屋の原点だと藤やんが感動していました。

飯山町の本店はやや距離があるので、もしかすると丸亀の弟さんのお店の方が良いかも知れません。
店の怪しさは飯山町に劣りますが、うどんの味は同格です。

    

左より『山越』の店の中(随分広くなりました)、絶品!羽二重餅の様な食感の『山越』のうどん、マジックうどん『中村』

さて、腹ごしらえを終えたら、まずは、坂出を目指します。
『四国R-14』の舞台、『四国八十八ヶ所2』で怪奇現象が起きた場所、第79番 天皇寺高照院
夜行くのは怖い人でも、朝方なら安心でしょ。
多分、その狭さにびっくりする事、受け合い。

ドラマの舞台をしっかり堪能したら、次に向かうは『彦江製麺所』。
B級グルメ王、森崎博之をして、「『山越』を越えた。」と言わしめた店です。
『四国八十八ヶ所3』の最終夜に出てきました。
見つけ難いので気を付けて・・・
駐車場を見つけたらもう安心?
いえいえ、油断は禁物。
看板はまったく出ていないので、心して探して下さい。
近くに赴任してきたお巡りさんが、1ヶ月も探して見つからなかったという地元の噂があるほどのお店ですから。


次に坂出ICから高速に乗って、三豊鳥坂ICで降り、第71番 弥谷寺に向かいます。

先に書きましたが、第71番 弥谷寺は『四国R-14』のオープニングタイトルや、エンディングに登場します。

次は第73番 出釈迦寺ですが、第71番 弥谷寺から第73番 出釈迦寺に向かう途中の国道11号線の交差点にどうバカなら外す事の出来ない饅頭屋さん『鳥坂まんじゅう』があります。
『四国八十八ヶ所3』で大魔人藤やんが買って来て、ミスターと対決まがいの早食い競争になった酒蒸しまんじゅうです。
ふかふかの蒸したてならとてもおいしいまんじゅうです。
あんこが少々甘すぎるのが好みの分かれるところでしょうが、皮のおいしさは絶品です。

  

左より彦江製麺所、鳥坂まんじゅう

第73番 出釈迦寺
このお寺の前にある池の土手で『四国R-14』エンディングのコントを撮影しています。
ここのお寺の山門は、少し変わった形で、『四国八十八ヶ所』では大泉さんが出社コントなるものをしていましたが、残念ながら老朽化の為、建て替えられてしまいました。


第73番 出釈迦寺から善通寺に向かいますが、高速に乗る前に讃岐うどん『山下』を紹介しましょう。
『四国R-14』のロケ中メンバーが訪れ、シゲが大絶賛したうどん屋さんです。
ここのうどんの腰はとても強くて、食べると口の中でうどんが暴れます。
『山下』うどんはぶっかけうどん発祥の店。
ここは冷やしのぶっかけうどんか、ざるうどんがお奨めです。


さて、ロケ地ツアーも後半戦。
次に目指すのは第66番 雲辺寺
善通寺ICから高速に乗り、大野原ICを目指します。
雲辺寺へ、ロープウェイで向かうか、車で直接向かうかはあなた次第。
でも、ここを車で登るのは、余程ドライビングテクニックに自信のある方以外お奨めしかねます。
多少費用はかさみますが、安全なロープウェイをご利用下さい。


第66番 雲辺寺の次は、第67番 大興寺です。
大興寺は山門前のお地蔵さんがドラマに出てきます。
ドラマの中で大沼が死亡する交通事故の現場になります。

第66番 雲辺寺から第67番 大興寺への道もかなり過酷な道です。
気を付けて運転しましょう。


ここからは帰りの時間との都合にも因りますが、次は第81番 白峯寺を目指します。
高松道さぬき豊中ICから三度高速に乗り、坂出ICで降ります。
国道11号線を東に向かい、第81番 白峯寺へ。
登り道の途中に展望台があります。
ここから見た瀬戸大橋の遠景がドラマに使われています。

第81番 白峯寺の境内もドラマのワンカットで出てきます。
白峯寺からは五色台スカイラインを経て、高松へ。
夕闇迫る頃に高松ライオン通りに。

  

左より五色台スカイラインからの瀬戸大橋遠景、高松ライオン通

そして、夕食は第85番 八栗寺麓のうどん本陣 山田家さんへ。
ここではざるぶっかけうどんを食べましょう。
多分、お店に着いたら係の人が「座敷にされますか? 椅子席にされます?」と聞いて来るので、時間が許すのであれば座敷にして下さい。
良く手入れされた庭を見ながらすするうどんは最高です。
どうでしょう班が『四国八十八ヶ所2』でお寺を巡らなくても行きたがった理由が良く解ると思います。


さて、『水曜どうでしょう 四国R-14』のロケ地を巡る旅。

ロケ地となったお寺6寺。
その他、ロケ地2ヶ所。
うどん屋さん4軒(中村含めると5軒)。
まんじゅう屋さん1軒。

果たして、これだけ一日で巡れるのか。
四国が初めての方には、うどん屋さんが見つかるのかどうか不安が残ります。

計算上は可能なのですが、今度一度試して見なければ・・・

やや複雑な行程になっていますが、極力営業時間内に行ける行程にした結果です。
そもそも、讃岐うどんのお店は基本的に午前中から昼過ぎまでのお店が多いので、営業時間は事前に良く確認しておきましょう。
また日曜日に閉まっているお店も多いので要注意。

大泉伝説や、残念!にならない様にして下さい。

多分、このルートであれば、おいしいうどんにありつきながら『四国R-14』の世界を巡る旅が出来ると思います。

さあ、おいしいうどんと、『水曜どうでしょう 四国R-14』のロケ地を堪能して下さい。

タイムスケジュール

第一案

到着時間 目的地 出発時間
1 8:30 山越 うどん 9:20
2 9:50 第79番 天皇寺高照院 10:20
3 10:40 彦江製麺所 11:00
4 11:40 第71番 弥谷寺 12:10
5 12:20 鳥坂まんじゅう 12:30
6 12:50 第73番 出釈迦寺 13:20
7 13:50 山下 うどん 14:10
8 14:50 第66番 雲辺寺 16:00
9 16:30 第67番 大興寺 17:00
10 18:00 第81番 白峯寺 18:30
12 19:00 高松ライオン通り 19:10
13 19:30 うどん本陣 山田家 20:00

第二案

到着時間 目的地 出発時間
1 8:30 山越 うどん 9:20
2 9:40 中村 うどん 10:00
3 10:20 第79番 天皇寺高照院 10:40
4 10:50 彦江製麺所 11:10
5 11:50 第71番 弥谷寺 12:20
6 12:30 鳥坂まんじゅう 12:40
7 13:00 第73番 出釈迦寺 13:20
8 13:50 山下 うどん 14:10
9 14:50 第66番 雲辺寺 16:00
10 16:30 第67番 大興寺 17:00
12 18:00 第81番 白峯寺 18:30
13 19:00 高松ライオン通り 19:10
14 19:30 うどん本陣 山田家 20:00

こちらはかなりタイトなスケジュールとなります。くれぐれも安全運転を心がけてください。

うどん屋さん

店名 所在地 電話番号 営業時間 営業日
1 山越うどん 綾歌郡綾川町羽床上602-6 087-878-0420 9:00〜13:00 日休み
2 中村 飯山町 丸亀市飯山町西坂元1373-3 0877-98-4818 9:00〜14:00 火休み
3 中村 丸亀市 丸亀市土器町東9-283 0877-21-6477 10:00〜14:00 金休み
4 彦江製麺所 坂出市横津町3-627 0877-46-3562 8:30〜17:00 日休み
5 山下 善通寺 善通寺市与北町1017 0877-62-6882 10:00〜19:00 火休み
6 うどん本陣 山田家 高松市牟礼町牟礼3186 0120-04-6522 10:00〜20:00 無休
7 竹清 高松市亀岡町2-23 087-834-7296 10:00〜14:30 土、日、祝休み

お饅頭さん

店名 所在地 電話番号 営業時間 営業日
1 鳥坂まんじゅう 三豊市三野町大見鳥坂峠 0875-73-5607 9:30〜19:00 火休み

お寺さん

寺名 所在地 納経所の開いている時間
1 第66番 雲辺寺 徳島県三好市池田町白地763-2 7:00〜17:00
2 第67番 大興寺 香川県三豊市山本町辻4209
3 第71番 弥谷寺 香川県三豊市三野町大見乙70
4 第73番 出釈迦寺 香川県善通寺市吉原町1091
5 第79番 天皇寺高照院 香川県坂出市西庄町1713-2
6 第81番 白峯寺 香川県坂出市青海町2635

注)藤村Dのうどん屋探訪記。これはある意味ものすごいリポートです。
讃岐うどんの真髄をうまく言い当てていると思います。
詳しくはこちらをご覧ください。『水曜どうでしょう』公式HP 番組スタッフからのメッセージ 
「香川びっくりうどん紀行」1「香川びっくりうどん紀行」2「香川びっくりうどん紀行」3

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